2008年05月26日

流行らない店

この店はローカルな商店街、貴音駅前徒歩1分にある和創作居酒屋、
「ぶったまげ庵」の話である。貴音駅を中心に半径50m以内に大手、
個人店の飲食店がこの2年で30件出店し競争の非常に激しい立地にある。
しかも今なお出店ラッシュが続いている。

「ぶったまげ庵」の女社長は悩んでいた、ここ数ヶ月で売り上げが大きく
右下がりになっているのである。そう、集客ができなくなってきたのである。
この売り上げをなんとかして取り戻したいと話があった。


女社長:「どうしたらいいと思う?」

僕:「う〜ん、宣伝、広告をもう少し使うような形にはできないですか?」

女社長:「ホットペッパーなんかだと、うちの店のターゲットより
若い子が来て店の雰囲気が変わってしまうし、かといって
割引ばかりしていたら店の運営自体苦しくなってくるの。」

僕:「なるほど、広告を打てばそれなりに反応はあるかも知れないけど、
   社長の目指す店とはまた違ったものになってしまうということですか?」

女社長:「そうなのよ、私は私の目指す店のあり方で繁盛させたいの、
そのために何をすればいいと思う?店の内装、雰囲気、
値段は今のままでいいの。」

僕:「となると、変更できる箇所といえば料理内容とサービス部分に
  なりますよね?」

女社長:「そうね、でもサービスはバイトさんにやってもらう部分が
多いからそんなにレベルを上げることは難しいかもしれないわ。」

僕:「ということは、社長の考えでは料理を変更するのが一番効果が
  あるということですか?値段設定も含めて。」

女社長:「とりあえず、そうなるわねぇ・・・、料理長とかに相談してみても
私が思っているような料理がメニューが出てこないのよ。
なので今度は私が考えたメニューを各店舗共通してやってもらう
ようにするわ、私の今までの経験の中で、人気メニューを選んでそれ
    をグランドメニューに入れていくのがいいわね、やっぱり。
でも、値段はそのままでいくわ、どんな年代でもその値段を
普通だと思う人はいるはずだから。」

僕:「分かりました、社長がそこまで決めているならそうしますが、その
  メニューをお客さんに知らせるのに宣伝はしないのですか?」

女社長:「来てくれたお客様はあ、変わったなとメニューを見れば感じて
下さるからそんなに大々的に広告をやる必要はないわねぇ。」

僕:「なるほど・・・、でいつからメニューを変えるんですか?」

女社長:「今は私が忙しいから2ヵ月後くらいになるわ、それまでは
今のままで行きます、料理長も、あなたもメニューを考えて
おいてね。」

僕:「分かりました。」

〜2ヵ月後・・・。〜
まだメニューは決まらないままで店舗の売り上げは下がっていく一方、
大手チェーンの進出でさらに競争が激しくなってくる。

ガラガラガラッ。

大将:「いらっしゃいませ〜!ん?むらっちやないか〜!
ひさしぶりやのぉ!」

僕:「おひさしぶりです、大将。」

(僕が大将と呼んでいるこの方は僕に飲食店経営を教えてくださっている
ある割烹のオーナーです。すごい経歴の持ち主で、1回食べに行っただけで
その店の売り上げ、将来性を的確に当ててしまわれます。
ご本人の許可が得られれば、アドバイザーとして
当メルマガにも登場していただきと思っております。)

大将:「どないしたんや、相変わらずうかへん顔してるなぁ〜、店はどうや?」

僕:「それがですねぇ〜、かくかくしかじかで・・・。」

大将:「なるほどなぁ〜、まだ食べに行ってへんからなんとも言えへんけど
お前の話聞く限りでは値段設定が少し高いなぁ、結局お客さんは
最後お金払ったときに7割のお客さんは高いなぁおもて帰って
はるやろなぁ〜、薄利多売がええとは言わんけどもう少し考えた
ほうがええで。」

僕:「値段についてはまぁ、僕じゃどうにもならない部分なんで
  心苦しいんですが、もうひとつの社長は社長の好きなやり方で
  繁盛させたいと言ってらっしゃるんです。」

大将:「無理やな。」

僕:「え?どういう意味ですか?」

大将:「その店、潰れるで。」

僕:「どうしてですか?」

大将:「今の話聞いてたら、その社長さんお客さんのこと一切考えてない
  やんけ、自分やりたいことやってお金儲かったらそらぁ一番ええがな。
  でもなそんなことできるのは一流の人間だけや、わしでもこうやって
  店してるけど自分のやりたいことは2割くらいしかできてへん。」

僕:「へぇ〜、大将みてるとやりたいことやって成功しているように
  見えてたので驚きです。」

大将:「お客があってのわしらやろ?お客が好むことやらな閑古鳥鳴くで。
   やりたいことあるんやったら稼いでからなんぼでもしたらええ。
   まずは安定した基盤を作らんとな。最初から好きなこと言うとったら
   結局稼ぐこともできへんし、そのうち好きなこともできんようなるわ。」

僕:「なるほどぉ〜、深いですねぇ〜。」

大将:「それにもうひとつ、その社長さんは自分の店がいつも注目されて
いるように思ってはるみたいやけどそんなことはまずないわ、
普通に生活してたらその店がいくら良くてもよっぽどの話題が
ない限り店でたら忘れたはるわ。」

僕:「店の内側にいる人とお客さんのギャップってかなりあるんですね〜。」

大将:「まぁ、少し物事をみる視点を変えたら分かることなんやけどな、
お前ももっと勉強せなあかんで。」

僕:「は〜い、すいません・・・。」

大将:「その社長さんには悪いけど、どうにもしてあげられへんな。
周りがその社長さんを変えるのはまず無理に等しいし、気づいても
たぶん、人の意見聞かへんからどうすることもできん。」

僕:「そうですかぁ〜・・・。」

大将:「心苦しいかもしれんけど、そういう状況を見るのも勉強やで、
反面教師ってやつやな。」

〜3ヵ月後〜
店舗の売り上げはオープン当初の3分の1になった、
社長の決断はいまだつかないままである。


いままでの話を読んでみてどう思われましたか?
僕はこの1件でかなりいろんな勉強をさせてもらいました、
残念ながら最終的にこの店は閉店を迎えます。

僕とこのメルマガを読んでもらっているあなたはそんな風にならないように
しなければなりませんね、次回はこの物語のいろんな部分にスポットを
当てて僕なりの推測と対策を提案したいと思います。


posted by カミュ at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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